亜鉛

ミネラルには、20種類近くの必須ミネラルがあり、私達の食事は、特に微量ミネラルが不足しています。(鉄、銅、亜鉛マンガン、クロム、セレニウムヨウ素モリブデン、リチウム、バナジウム、コバルト、ニッケル)

亜鉛は、たんぱく質の合成や骨の発育などに欠かすことのできない必須ミネラルです。亜鉛が不足すると、味覚障害や発育不全、機能性障害などを引き起こすといわれています。アメリカでは「セックス・ミネラル」としても知られています。亜鉛デトックスサプリとしても注目されています。亜鉛は、有害物質を捕まえて、毒性を抑え、排泄させるたんぱく質の誘導役でもあります。亜鉛は、普通に食事をしていれば不足する心配はないのですが、実際は、食品を加工する過程で失われることが多く、インスタント食品やファーストフードに偏った食生活、極端なダイエットをしていると不足しがちです。

亜鉛の不足状態が続くと、抜け毛、肌あれ、発育不良、風邪をひきやすくなるなどの症状が現れます。また、老化とともに起こる味覚障害亜鉛が不足することによって起こりやすくなるといわれています。カフェインを含む食品やアルコールは体から亜鉛をを奪ってしまいます。コーヒー、コーラ、チョコレートなど、そしてお酒が好きな方は亜鉛の補給が不可欠です。

亜鉛は男性の精巣や前立腺などの性腺にかなりの量が含まれています。精巣では、テストステロン(性欲などをつかさどる男性ホルモンの一種)などが合成されていますので、最近パワーダウンを感じるという人は、亜鉛を積極的に摂るようにするとよいでしょう。また、精液中にも高濃度の亜鉛が含まれていることがわかっています。亜鉛精子の形成に関わるため、亜鉛が不足すると精子の数が減少するだけでなく、精子の運動量も少なくなります。

男性だけでなく女性にとっても亜鉛は重要なミネラルです。亜鉛が不足すると女性ホルモンの分泌量が低下します。女性ホルモンの分泌や働きが悪くなるとホルモンバランスは乱れ、子宮内膜の不調、基礎体温の上昇不全、生理痛、生理不順が生じやすくなるのです。


亜鉛の1日の所要量は10mg程度です。食品に換算すると、牡蠣小1個、うなぎ蒲焼3串、レバー145gに相当します。亜鉛は汗などによって排泄されやすいため、より効率的に補給していく必要があります。

田七人参

高麗人参は古くから知名度が高い健康食品として知られていますが、田七人参はまだまだ知らない人も多いかと思われます。実際、高麗人参は1000年以上前から日本に入ってきていたのに対し、田七人参が日本に入るようになったのはここ十数年のことです。これは、中国政府が長く禁輸政策をとっていたことが原因といわれています。

田七人参は中国雲南省の高地で採れるウコギ科ニンジン属の植物で、中国の雲南省の東南部から広西省の西南部のごく限られた地域にしか分布しておらず、大変希少価値の高いものです。田七人参の栽培は難しく、播種後3〜7年後に収穫するため、「三七」と呼ばれています。収穫後は何と10年も雑草さえ生えないほど大地の栄養分を吸収してしまいます。また、田七人参は生産量も少なくお金にもかえがたい大切なものという意味で「金不換」とも呼ばれています。


田七人参の成分は、主に有機ゲルマニウムや15種類のサポニン、フラボノイド、アミノ酸、鉄分、ビタミンA、B群、食物繊維、カルシウムをバランスよく含んでいます。特にサポニンの含有量が多く、高麗人参の約10倍の量が含まれています。また田七人参にのみ確認されている成分「田七ケトン」は、注目されている成分です。

田七人参に含まれる田七特有の成分で、田七ケトンAは血中コレステロールやお血を除去する働きがあるといわれており、田七ケトンBは、止血の働きがあるといわれています。

高麗人参が血圧を上げる作用があるのに対し、田七人参は高い血圧を低くし、低い血圧を正常値に持っていく作用を持っています。中国医学では、全ての病気は血の滞りに原因ありと考えられています。現代は、血液関係の病気が多いことから、健康維持のために田七人参が役立ちます。

免疫グロブリン

免疫とは体内に侵入した異物を認識し、体から速やかに排除する生物の大切な仕組みです。このため、私たちは簡単には病気に罹らないようになっていますし、仮に罹っても治り、それ以降同じ抗原性のウイルス性感染症には罹りにくくなります。

腸管は食物を消化吸収する大切な仕事をしていますが、腸管の役割は食べ物の消化吸収だけではありません。病原体は、粘膜や皮膚の傷口などから体内に侵入しますが、体の中で最も病原体が侵入しやすい場所は、広げるとテニスコート1面分にもなる小腸粘膜です。腸管は最も病原体の侵入しやすい場所であるため、病原体の侵入を防ぐために、体内のリンパ組織の6〜7割が集まっているといわれています。腸管では必要に応じて抗体が作られ、リンパ球が活性化され、全身の免疫を活性化させる重要な器官でもあります。

この腸管特有の免疫システムにより、口から摂取された全ての物質は、生体に無害な物質と病原体やアレルギー抗原などの有害な物質に選別され、生体に有害または必要のない物は排除されます。この腸管における免疫システムのことを、一般的に腸管免疫と呼んでいます。したがって、腸管免疫の低下により、アレルギーや感染症のリスクが高くなるなどの様々な障害が生じるため、腸内環境を整え、腸管免疫を維持することは非常に大切なことなのです。

免疫の中で大きな役割を担っているのが生体内で産生される抗体です。抗体は免疫グロブリン(Immunoglobulin、略称Ig)とも呼ばれ、血液中や組織液中に存在しています。免疫グロブリンには、IgG、IgA、IgM、IgD、IgEの5種類があり、それぞれの分子量、その働く場所・時期にも違いがあります。例えば、アレルギーに一度かかるとそのアレルギーに対するIgGが作られ、その人は二度とそのアレルギーに罹らずにすみます。

ミルク-IgGとはその名の通り、ミルクに含有されるIgGのことを言います。IgGは上記の免疫グロブリンの中で、人間の胎盤を通過できる唯一のタイプであり、自分の免疫系を確立する生後1週間までの間、赤ちゃんを守っているのです。

経口で免疫グロブリンIgG を摂取することで、病原体の侵入を未然に防ぎ、さらに、腸の免疫を活性化することができます。赤ちゃんは、母乳中に含有される免疫グロブリンIgGやラクトフェリンを摂取することによって、さまざまな感染から守られていますが、免疫グロブリンIgGやラクトフェリンの摂取は赤ちゃんのみならず、全ての人の「日常の健康維持」や「加齢による免疫低下防止」などに役立つと言われています。

ツバメの巣

古来中国ではツバメの巣とフカヒレ、熊の手などが高級中華食材として宮廷料理や高級官史、貴族や豪商の宴席料理だけに使用されていました。特に燕が出る席を第一級の宴席に格付けしていたそうです。ツバメの巣は不老長寿の薬膳としても珍重され、健康を高め、宮廷のごく限られた女性たちに美貌と永遠の若さを保つために食されたと伝えられています。絶世の美女と言われ美しさでは群を抜いていた楊貴妃もツバメの巣を好んで食べていたと言われています。

ツバメの巣は、多くの種類の天然栄養素や鉱物質(活性たんぱく質、コラーゲン、カルシウム、リン酸、ナトリウム、カリウム、ビタミンA・B1・B2、鉄分)等を豊富に含んでおり、中国では古来から健康・美容食として珍重されてきました。最近では、良質なシアル酸が豊富に含まれていることが注目を集め、単なる高級食材としてだけでなく健康・美容に気遣うより多くの人に期待される食品になってきています。また、これらの栄養成分はその豊富な栄養素のため、中国では健康や美容に広く用いられており、中薬大辞典などに記載されています。

現在でも医食同源の中国では、ツバメの巣は、病後や体の弱ったとき、また普段の健康を保ちたいときなどに愛食されています。

古くから、ヨダレの多い赤ちゃんは丈夫で、ヨダレの多い牛は病気をしない、といわれています。歳をとって高齢になると唾液の出方が少なくなったり、ストレスがかかった状態や緊張時には喉がカラカラになり唾液が出なくなるように、唾液は健康維持に深く関わっていると言われています。現在食品として動物の唾液が利用されているのは、ローヤルゼリーと海ツバメの巣だけです。唾液にはシアル酸という糖質が含まれています。

シアル酸は主としてウイルスから脊椎動物にいたる動物の細胞表面にあって、糖タンパクや糖脂質、ムコ多糖などの複合糖質の構成成分として、重要な生物学的機能を担っております。シアル酸はまた細胞間の情報伝達などに関与する重要な活性分子と考えられています。このようにシアル酸は生物の殆どに存在して生物進化と共に歩んできたと言えるのですが、シアル酸が発見されたのは以外にも新しく1940年ころのことだそうです。

近年インフルエンザは世界的な大流行のきざしがあり、多くの人命が奪われる危険性を秘めています。1961年にはすでに海ツバメのシアル酸が各種のインフルエンザウイルスのノイラミニダーゼに活性であることも報告されています。今やシアル酸は今後の創薬化学の中心的化合物として注目されていると言っても過言ではないようです。この高い生理機能を持つシアル酸を最も有するのは燕の巣で、何とその含有量はローヤルゼリーの150倍以上もあるのです。

キャッツクロー

キャッツクローは、学名ウンカリア・トメントーサ(Uncaria Tomentosa)というアカネ科カギカズラ属に分類される大本性大型蔓植物で、高さ20メートルにまで育ちます。葉の付け根にネコのつめのようなトゲが生えていることからスペイン語で「ウニァ・デ・ガト」、英語で「キャッツクロー」、つまり”猫の爪”と呼ばれています。

南米(ペルー・エクアドル・コロンビア等)の熱帯雨林地帯に自生していますが、ペルー産のものが最高とされています。 1ヘクタールにわずか2〜3本しか生育しないほど、土地の滋養を必要とする樹木で、現地でも非常に貴重なものと扱われ「幻の薬用樹木」と呼ばれています。

キャッツクローは、主に樹皮の部分にアルカロイドを多く含んでいます。アルカロイドとは、植物が持っている塩基性物質の総称で、お茶やコーヒーなどに含まれているカフェインもアルカロイドの1種です。キャッツクローには、6種類のアルカロイド(イソテロポディン、テロポディン、イソミトラフィリン、ミトラフィリン、イソリンコフィリン、リンコフィリン)が含まれています。

先住民たちは、キャッツクローの樹皮をはがして煎じ、お茶のようにして飲んでいますが、キャッツクロー茶を飲むと、痛みや腫瘍が良くなることは、昔から先住民の間で知られていたようです。

特に、ペルー中央部に住むアシャニンカ族は、キャッツクローを有効に活用しています。アシャニンカ族によるキャッツクローの伝統的な利用方法としては、喘息や炎症、傷の手当て、関節炎やリウマチなどの痛み、炎症止めやガン治療に利用されていたという記録があります。

キャッツクローが注目されている、効能のひとつが消炎作用です。キャッツクローに含まれているベータシトステロールや、抗酸化物質の植物性ステロールには消炎作用があり、その中でも、樹皮や根に含まれているキノビックアシッドグリコシドと言う植物成分は、キャッツクローでも、最も強力な消炎成分であることが分かっています。

また、キャッツクローの有効主成分であるアルカロイドは、マクロファージ(貪食細胞の一種)を活性化させることで、免疫力と自然治癒力をアップします。 マクロファージは細菌のほか、ウィルスやガン細胞まで食べてしまうので、ガンやエイズへの効果も期待されます。

リウマチ

キャッツクローの主成分である6種類のアルカロイドが免疫カを正常に保ち、抗炎症物質が関節の炎症を抑える働きがあります。また、薬ほどではないですが鎮痛作用もありますので、痛みの緩和に役立ちます。

腰痛・膝痛

腰痛・膝痛(関節炎)は、関節部分を支えている筋肉やじん帯に異常が起きて引き起こされる症状です。キャッツクローのアルカロイドには、血流を促進するアルカロイドも含まれているので、炎症を和らげる作用があります。また、キャッツクローには抗炎症作用や抗酸化作用もありますので、関節炎の炎症を癒して痛みを和らげてくれます。

コエンザイムQ10

コエンザイムQ10CoQ10)は、もともと体内にある補酵素のひとつで、体に必要なエネルギー産生に重要な役割を果たしています。別名は「ユビキノン」「ユビデカレノン」、また、ビタミンと同じような働きをもつことから「ビタミンQ」と呼ばれているほか、老化を防止する働きが強いことから「若返りの栄養素」「老化防止成分」などとも呼ばれています。

日本では、代謝性強心剤として医療現場を中心として使われてきた医薬品成分でしたが、2001年、規制緩和により健康補助食品成分としての使用が可能となり、現在、健康維持に有望な素材として注目されています。

コエンザイムQ10はエネルギー産生を活性化する

体に必要なエネルギーは、呼吸から得られる酸素と、食事から得られる栄養素(糖質、蛋白質、脂質)が、細胞内にあるエネルギー工場(ミトコンドリア)で「解糖系」TCA回路(クエン酸回路)」「電子伝達系」の3つの回路を経て作り出されます。なかでも、「電子伝達系」では最も大量のエネルギーが生成されますが、その原動力となっているのがコエンザイムQ10です。

コエンザイムQ10活性酸素を抑制する

強力な抗酸化作用をもち、ビタミンEやCとともに体内の細胞を活性酸素の害から守っています。体内においてビタミンEが抗酸化作用を発揮できない条件下でも抗酸化作用を発揮してビタミンEの欠点を補うほか、一度使われてしまったビタミンEを再生する働きも持っています。

コエンザイムQ10は不足しやすい

コエンザイムQ10は体内で合成される成分ですが、その生産能力は20歳をピークに加齢とともに衰え、40歳を過ぎると体内のコエンザイムQ10量は急激に減少します。また、ストレスや激しいスポーツ、偏った食事、病気、薬の服用などによっても減少してしまいます。

コエンザイムQ10の摂取目安量

加齢とともに体内のコエンザイムQ10量は減少することから、40歳以上の人は約30mg以上。体調不良の人やスポーツをする人は60mg以上が摂取目安量といわれています。

■食品中のコエンザイムQ10

コエンザイムQ10は食品にも含まれています。特に、イワシやサバなどの青魚、豚や牛などの肉、豆製品などに多く含まれています。ただし、普通の食事で摂れる量は一日10mg程度です。一つの食品から60mgのコエンザイムQ10を摂るには、イワシで約12匹、牛肉で約1.9kg、ピーナッツで約2.3kgも必要となります。

コエンザイムQ10の期待できる効果

●心疾患の予防・改善

●高血圧・低血圧、動悸、息切れ、むくみの予防・改善

●運動能力の向上

疲労回復

●美肌作り(シワの改善)

そのほか、免疫系を強化(ガン・エイズ等の予防)したり、肥満、動脈硬化、糖尿病、歯周病・歯肉炎、アレルギー、アルツハイマーパーキンソン病不妊症などに対する有効性が報告されています。

サラシノール

サラシアとはニシキギ科の植物でインドとスリランカに分布しています。サラシアには糖分を摂取しても、食後の血糖値を上昇させない成分があることがわかっています。この成分がサラシノールです。サラシノールは食後の血糖値の上昇を抑制すると共に脂肪を減少させる作用が期待できます。

砂糖などを摂取し過血糖状態のラットにサラシアの濃縮エキスを経口投与する実験をしました。その結果、二糖類の場合には100%に近い血糖値の上昇阻害作用が認められ、単糖であるブドウ糖の場合はほとんど糖吸収阻害作用を示さないことが分かりました。これは糖質分解酵素を調整・阻害するメカニズムがあることを意味します。

高血糖状態が続くと、通常はあまり作用しないアルドース酵素が活動し始めます。その働きでソルビートが発生し、細胞内の糖度上昇が起こり、細胞組織に異常をきたします。これが糖尿病に由来する二次障害、神経障害、腎障害、白内障などの二次障害を引き起こします。

サラシアには抗酸化作用として強力なエピカテキンガレートなども含まれているので、こうした二次障害を阻害することが認められています。日本人の国民病ともいえる肥満や糖尿病高血圧に悩む人が多いなか、この「サラシノール」に関係者も大きな期待を寄せています。