コエンザイムQ10

コエンザイムQ10CoQ10)は、もともと体内にある補酵素のひとつで、体に必要なエネルギー産生に重要な役割を果たしています。別名は「ユビキノン」「ユビデカレノン」、また、ビタミンと同じような働きをもつことから「ビタミンQ」と呼ばれているほか、老化を防止する働きが強いことから「若返りの栄養素」「老化防止成分」などとも呼ばれています。

日本では、代謝性強心剤として医療現場を中心として使われてきた医薬品成分でしたが、2001年、規制緩和により健康補助食品成分としての使用が可能となり、現在、健康維持に有望な素材として注目されています。

コエンザイムQ10はエネルギー産生を活性化する

体に必要なエネルギーは、呼吸から得られる酸素と、食事から得られる栄養素(糖質、蛋白質、脂質)が、細胞内にあるエネルギー工場(ミトコンドリア)で「解糖系」TCA回路(クエン酸回路)」「電子伝達系」の3つの回路を経て作り出されます。なかでも、「電子伝達系」では最も大量のエネルギーが生成されますが、その原動力となっているのがコエンザイムQ10です。

コエンザイムQ10活性酸素を抑制する

強力な抗酸化作用をもち、ビタミンEやCとともに体内の細胞を活性酸素の害から守っています。体内においてビタミンEが抗酸化作用を発揮できない条件下でも抗酸化作用を発揮してビタミンEの欠点を補うほか、一度使われてしまったビタミンEを再生する働きも持っています。

コエンザイムQ10は不足しやすい

コエンザイムQ10は体内で合成される成分ですが、その生産能力は20歳をピークに加齢とともに衰え、40歳を過ぎると体内のコエンザイムQ10量は急激に減少します。また、ストレスや激しいスポーツ、偏った食事、病気、薬の服用などによっても減少してしまいます。

コエンザイムQ10の摂取目安量

加齢とともに体内のコエンザイムQ10量は減少することから、40歳以上の人は約30mg以上。体調不良の人やスポーツをする人は60mg以上が摂取目安量といわれています。

■食品中のコエンザイムQ10

コエンザイムQ10は食品にも含まれています。特に、イワシやサバなどの青魚、豚や牛などの肉、豆製品などに多く含まれています。ただし、普通の食事で摂れる量は一日10mg程度です。一つの食品から60mgのコエンザイムQ10を摂るには、イワシで約12匹、牛肉で約1.9kg、ピーナッツで約2.3kgも必要となります。

コエンザイムQ10の期待できる効果

●心疾患の予防・改善

●高血圧・低血圧、動悸、息切れ、むくみの予防・改善

●運動能力の向上

疲労回復

●美肌作り(シワの改善)

そのほか、免疫系を強化(ガン・エイズ等の予防)したり、肥満、動脈硬化、糖尿病、歯周病・歯肉炎、アレルギー、アルツハイマーパーキンソン病不妊症などに対する有効性が報告されています。