プエラリア・ミリフィカ

プエラリア・ミリフィカ(学名Pueraria mirifica)は、タイ北部に自生するマメ科の植物で、根が大きな塊状になるのが特徴です。タイでは白ガウクルア(一般名White kwao keur)と呼ばれ、その塊根は若返りの薬として知られていました。また、食用にもされていたようです。古くは、赤ガウクルア(学名Butea superba)と呼ばれる植物と混同されていましたが、現在では違う植物として区別されています。日本でよく知られている葛(クズ、学名Pueraria lobata)の近縁種です。

プエラリア・ミリフィカには、エストロゲン(女性ホルモン)とよく似た構造と性質をもつ物質が多く見いだされています。これらは総称して植物性エストロゲンと呼ばれています。植物性エストロゲンは、エストロゲンの受容体に結合することでエストロゲンに似たホルモン作用を示します。プエラリアにもこのような成分が多く含まれていることが知られています。

エストロゲンを活性化する誘導体はゲネスティン、ダイゼインに大別できますがが、プエラリア・ミリフィカは、より活性の強い類縁体・ミロエステロールやデオキシミロエステロールが含まれ、更年期障害の軽減や、ホルモン置換療法、他にも女性の美肌作用などに効果が期待できるとされています。

また女性が注目するのは、過去、イギリスの学術雑誌『Nature』において“プエラリア・ミリフィカには「プエラリン」という美乳効果をもつ成分(大豆イソフラボンにはほとんどない)が多く含まれる”との趣旨が発表されたことも、大きな理由の1つと思われます。一般には“白”の多くが「ガウクルア」とも表記され、サプリメントとして市販されています。

ただし、プエラリアが含むミロエステロール(強力なエストロゲン活性をもつ成分)等は、その効果の強さから、当然に副作用をも考慮する必要があります。サプリメントとして濃縮されたものについては、過剰摂取に注意が必要です。