植物ステロール

年を重ねるにつれて慢性的な膝痛に悩まされるようになってきた方は多いのではないでしょうか。これは変形性膝関節症です。単に痛みや不快感が伴うだけでなく、悪化すれば動作に不自由が生じるため、放っておくわけにはいきません。変形性膝関節症は加齢に従って起こる最も一般的な関節炎。骨を保護してクッションの役割を果たす軟骨が歳と共に退化することから始まり、多くの場合、最初は痛みを伴いません。しかし、軟骨が薄くなり、骨同士がさらに擦れるようになると、骨棘や骨嚢胞ができるようになります。さらに進行すると、腱や靭帯、筋肉といった関節周りの構造を損傷するため、炎症が現れ、関節を動かすたび痛みに襲われます、そして、ついには関節を動かさなくても耐え難い痛みを感じるまでに悪化してしまうのです。

変形性膝関節症が生じる部位で特に多いのが膝です(変形性膝関節症)。歩く度に負荷がかかるため、多くの人がやりきれない悩みを抱えているはずです。従来、変形性関節症の治療は、症状を一時的に緩和する対症療法が中心でした。要するに鎮痛剤や非ステロイド系の抗炎症剤を用いて痛みを和らげるのです。しかし、これは「痛みを忘れさせる」だけで、原因となる軟骨の磨耗を改善している訳ではありません。

■ASUの継続的な摂取で、変形性膝関節症の症状が軽減

この状況を打破しうる素材として現在、世界的に注目を浴びているのが「ASU」です。ASUとは、Avocado Soybean Unsaponifiables(アボカド大豆不鹸化物)の略称。文字通りアボカドと大豆の油を素材とした植物ステロールの一種です。

ASUの働きは大きく2つ。関節に重要な働きをするプロテオグルカンの生成を大幅に増大させることと、炎症を悪化させるインターロイキンなどの炎症誘発性物質の生成を阻害する作用です。要するに、痛みを和らげつつ、すり減った軟骨を機能的、科学的に修復する働きを持っているわけです。これらの作用については世界的に臨床試験が重ねられています。ASUの研究は特にアメリカ、フランスなどで盛んに行われています。安全な処方薬として普通に利用されていますし、その他の薬や運動などを組み合わせた関節症治療プログラムを提供している病院も少なくありません。ASUの登場により、研究者や医療関係者の間では変形性関節症は「治るもの」という認識が浸透しつつあるのです。ASUがさらに普及すれば、膝痛に悩む世界中の人々が救われることになるでしょう。国内でも今後、関節炎の治療に劇的な変化と希望をもたらしてくれる素材として期待されています。