スクワレン

ツノザメ科アイザメアイザメ(藍鮫) 卵胎生、体色は濃い灰色 体長1.2〜1.8m 体重5㎏〜12㎏、目の色→ エメラルドグリーン 骨格は顎と歯以外は軟骨です。温暖海域の水深200〜1,000mに棲息しており。交尾期以外は、300±100mに雌、700±100mに雄が多く棲み分けます。高水圧・低酸素で酸欠状態の過酷な環境の深海で、エラから吸入した海水の酸素を血液に溶かし込み、エラ血管⇒心臓⇒全身・各臓器・肝臓に酸素と栄養を送り込みます。

ここまでは、硬骨魚類と同じです。アイザメの肝臓は体全体の3分の1、含油量は80%もあり浮き袋も肺もないので深度調整浮力調節代役をします。一方肝臓からは軟骨骨格をリンパ管の様に体液を逡巡させています。アイザメの肝臓の中は多量の油分が含まれ、その90%がスクワレンという不飽和炭化水素です。雌より深度がある、より過酷な環境にいる雄は、必然的に肝臓は大きくスクワレン量も多くなります。軟骨全体は、軟骨膜に包まれ、血管は軟骨の中には侵入せず、軟骨細胞は、組織液の出入りによって酸素や養分を受け取り不要物を排出しています。

スクワレンが発見されたのは、大正時代のこと。辻本満丸という日本人の化学博士が、小田原でとれたサメから発見したのがはじまりです。辻本博士はツノザメ科を意味する「スクアリデー」という言葉をもじって「スクワレン」と命名したといわれています。

スクワレンは、酸素と結びつきやすいという性質があり、体内で様々な臓器の機能回復をサポートし、新陳代謝を活性化させます。特に臓器の中でもスクワレンには肝臓機能を強化する効果が高く、肝臓に酸素を送り込むことによりさまざまな障害を改善します。具体的には、血液をサラサラに保つはたらきや、細胞膜の原料となったり、副腎皮質ホルモンを合成するコレステロールの素となることがわかっています。

さらに、研究段階ではありますが、スクワレンは白血球を強化しがんに対する抵抗力を高める効果もあるのではないかといわれています。また、肌への浸透率も高く、化粧品として使われるほか、やけどなどの皮膚疾患などにも効果を示しています。